航空観閲式事前公開 2014.10.19

自衛隊記念日行事「観閲式」は2014年10月26日(日)、に茨城県の航空自衛隊百里基地を会場に開催。
航空観閲式が3年に1度、百里基地(茨城空港)で開催されており、航空観閲式事前公開が記念日行事の前日に開催される。
2014年度の開催で航空観閲式としては第7回。
航空観閲式では航空自衛隊をはじめ、陸上自衛隊、海上自衛隊からの航空機も参加。
それに先立つ19日に事前公開が行われた。
参加したのは、人員約740名、車両約26両、航空機約80機(地上展示等含む)。

↑自衛隊発足60周年を記念した「60」を描く編隊飛行

F15EJ イーグル
航空自衛隊の現主力戦闘機。米空軍の制空戦闘機として1974年に就役したF-15を、1980年から導入。
すでに就役から30年以上が経過しているが、今でも世界トップクラスの制空戦闘機。
大型で改良の余地が多かったため、米軍では戦闘爆撃機タイプのE型ストライクイーグルまで発展させている。

航空自衛隊の使用しているJ型はC型の日本向けバージョン。
現在単座のJ型157機、複座のDJ型45機を保有。
アメリカの他に日本、イスラエル、サウジアラビア、韓国、シンガポールの5ヵ国で導入しているが、ライセンス権を得て自国で生産体制を持ったのは日本のみ。
旧式化してきたとはいえ、電子機器も最新のものに更新してきており、後継機種候補F35も高価で開発も難航しており当面、主力機として使われるのだろう。

武装 M-61A1 20mm機関砲×1(950発)、空対空レーダーミサイル×4、空対空赤外線ミサイル×4
製作 機体:(輸入)米国マクドネル・ダグラス社(現ボーイング社)、(国産)三菱重工
エンジン:(輸入)米国プラット&ホイットニー社、(国産)石川島播磨重工

F2A

F−1の後継機種、この機の開発では、色々な政治家やメーカーが裏で暗躍したことで有名。
水面下が多額の金が飛び交ったのであろう。
F16をベースに開発されたが、設計が新しいこともあり性能はF16より優れ、機体も大きい。
2000年より配備開始。
しかし、量産効果によるコスト低減ができず、価格はF15並みとなり、94機が製造されただけに留まる。
おまけに東日本大震災では16機が被災し、そのうち12機が廃機になってしまった。
はじめから不運が付きまとう印象があるが、デザインはなかなか良い。
性能的にこの機より優れるのはアメリカ軍の最新鋭機F22程度、F15などよりも性能は高く、ユーロファイターと並び世界最高水準と言われる。

乗員: 1名(F-2A)/2名(F-2B)
全長: 15.52m、全高: 4.96m、翼幅: 11.13m、最大離陸重量: 22,100kg
最大速度: マッハ2.0、航続距離: 約4,000km
武装 固定武装: 20mmバルカン砲×1

ロケット弾:  70mmロケット弾、127mmロケット弾
ミサイル:   短射程空対空ミサイル AIM-9L、90式空対空誘導弾(AAM-3)
中射程空対空ミサイル AIM-7F/M、99式空対空誘導弾(AAM-4)
空対艦ミサイル 80式空対艦誘導弾(ASM-1)93式空対艦誘導弾(ASM-2)
爆弾:   Mk.82 500lb通常爆弾、82 500lb誘導爆弾、CBU-87/B クラスター爆弾、JDAM 500lb誘導爆弾
の搭載が可能。



C-X 輸送機
C-1の後継として2000年(平成12年)に計画され、2014年度末(平成26年度)に美保基地に配備する予定であったが、機体の強度不足の問題などで、配備は2016年前後に延長された。
構造、帰農はC-1と同様の形式であるが、大搭載量・長距離航続・高速巡航を狙っており、サイズ・性能共にC-1を凌駕。

C-1と比較し全長は1.51倍、全幅は1.45倍、全高は1.42倍、空虚重量は2.5倍、最大積載量は3.75倍、最大速度は1.2倍、エンジン合計推力は約4.24倍となっている。
C1で課題の航続距離は、12t搭載時に約6,500kmである。

機体は曲線を多用した空気抵抗を抑えた形状として、主翼は高速巡航に最適化し、エンジンはボーイングやエアバス製の旅客機にも使われている大推力エンジンを採用。
巡航速度が速く、民間の旅客機並みの速度を有し、C-1並みの短距離離着陸(STOL) 性能を維持しており、滑走路の短い地方空港への輸送にも運用できる。
機体の開発・製造では、三菱重工業が中胴・後胴・翼胴フェアリング、富士重工業が主翼を分担し、日本飛行機も参加。
システムでは、搭載レーダーは東芝、管制装置は神鋼電機、自己防御装置は三菱電機、空調装置は島津製作所、脚組み立ては住友精密工業など、国内大手企業が参加している。

エンジンはゼネラル・エレクトリック(GE)のCF6-80C2型エンジン(推力:約27.9t)とナセルシステムを採用。
このエンジンはE-767、KC-767Jも採用しており、整備面で都合が良い面を考慮したものと思われる。
乗員: 3名(操縦士2名・ロードマスター1名)
全長: 43.9m、全高: 14.2m、翼幅: 44.4m
貨物室: L16×W4×H4m ランプ長5.5m、最大積載量: 60.8t、有効搭載量: 約30 t、基本離陸重量: 120t、最大離陸重量: 141t
動力: GE・アビエーション CF6-80C2K1F ×2 ターボファンエンジン、27,900kg(推定) × 2

中型輸送機 C-1
日本の航空自衛隊が保有する中型戦術輸送機
アメリカ軍から供与されていた輸送機の老朽化およびYS-11の性能不足を受け、防衛庁技術研究本部および日本航空機製造が開発を行い、川崎重工業(川重)が製造を担当した国産輸送機。
初飛行は1970年(昭和45年)11月12日。試作機を含む31機が製造され、やはり機数が少ないとコストパフォーマンスが低く、一機あたりのコストは約45億円とされる。

人員のほか、物資や小型車両等の輸送を行なう。
この機をベースに短距離離着陸(STOL)実験機である飛鳥が開発された。
機体は高翼配置にT字尾翼、胴体のバルジ(膨らみ)に主脚を収容している。
噴射式のターボファンエンジン(ボーイング727やDC-9と同じエンジン)を採用し、これを主翼のパイロンに2基搭載している。

この強力なエンジンによって、C-1は600メートルの滑走路で離着陸が可能であり、高空での高速性能にも優れている。
また、中型機であるにも関わらず、小回りが利き空中で機体を90度近く傾けての急旋回が可能である。
人員なら60名、完全武装の空挺隊員ならば45名(1個小隊)、担架を取り付けると36名の患者を輸送できる。
車両ならば、ジープクラスの小型車3台を搭載可能である。

後部の貨物ドアの一部分は傾斜ランプを兼ね、飛行中にも開くことが可能である。
ここから空挺降下や、パレットに搭載した貨物(榴弾砲やジープを含む)の空中投下を短時間・効率的に行うことができる。
欠点は航続距離は短いことである。これは開発時、自衛隊の海外派兵に対する論議があり、その懸念を解消するため故意に短くしたという。
このため、日本の中央部、岐阜を拠点として北海道・九州までが行動範囲であり、遠距離飛行には増槽を必要とする。
50機の整備が決定していたが、通算31機(試作2機、量産29機)で打ち切られた。
4機が事故で失われた上に用途廃止も始まっていることから、2013年(平成25年)3月末時点の保有数は25機となっている

乗員: 5名
定員: 兵員60名 / 空挺部隊45名
ペイロード: 8 t 、全長: 29.0 m 、全高: 9.99 m 、翼幅: 30.6 m
空虚重量: 23,320 kg 、最大離陸重量: 38,700 kg
動力: P&W JT8D 軸流式ターボファンエンジン、64.5kN × 2
最大速度: 815 km/h 、巡航速度: 650 km/h 、航続距離: 空荷時: 2,400 km 、積載重量6.5t時: 2,185 km
積載重量8t時: 1,500 km 実用上昇限度: 11,600 m 、離陸滑走距離: 最短460 m 、着陸滑走距離: 最短600 m

C-130 ハーキュリーズ(Hercules)
ロッキード社が製造している輸送機。ハーキュリーズとは、ギリシア神話に登場する英雄、ヘラクレスの英語読み。
軍用輸送機のベストセラー、西側諸国69ヶ国で使用され、登場から半世紀以上経った現在も改良が加えられ生産が続いているが、基本設計は変わっていないというので、優れた基本設計だったことが伺える。
未整地での運用を念頭に置いて設計され、高い短距離離着陸性能を持ち、空母からも発進できる。
太い胴体に高翼式主翼、主輪を収納するバルジ、スロープも兼ねる後部大型カーゴベイといった、現代の軍用輸送機のスタイルは本機で確立されたと言ってよい。
第二次世界大戦中にも輸送機は使われていたが、元々旅客機や爆撃機の転用品であるため貨物積載やバランスが難しかったり、航続力と貨物積載量不足、荒地での離着陸にも難があった。
アメリカ空軍は、中型輸送機であること、荒地に着陸可能であること、頑丈な機体構造を有する事、主用途は貨物輸送だが人員輸送能力も有する事、積載可能重量は約13,608kg、航続距離は2414kmという仕様を提示し開発に着手、
ロッキード社が受注し、1956年12月アメリカ空軍が採用、世界中で採用されることとなった。
現在でもC-130をしのぐ機は現れていない。
航空自衛隊は、C-130H型を16機購入し、戦術輸送機として愛知県の小牧基地第1輸送航空隊第401飛行隊で運用、陸上自衛隊第1空挺団の降下訓練・作戦なども支援する。
2004年3月3日-2008年12月まで実施された航空自衛隊のイラク派遣にも使用。
機内での医療行為を可能とする機動衛生ユニットも積載する機能もある。
海上自衛隊でも6機を調達。

乗員:6名、全長:29.79m、全幅:40.41m、全高:11.66m
滑走距離:400-1,300m、最大離陸重量 : 79,360kg
燃料容量:36,416L(機内+主翼下増槽)
動力:アリソン・エンジン社製T56-A-15 ターボプロップ×4基
出力 : 4,910HP(3,423kW)4
最大積載量 : 19,050kg、最大速度:620km/h、巡航速度:550km/h
航続距離 : 4,000km、実用上昇限度:8,000m、武装:なし

早期警戒機 E-2
アメリカ合衆国のノースロップ・グラマン社が製造している早期警戒機である。
主にアメリカ海軍が航空母艦および地上基地で運用している。
愛称はホークアイ、元々はアメリカ海軍が早期警戒用の空中レーダー母機としては、AD スカイレイダーの派生型が運用されてたが、より高性能のレーダーが必要とされ、艦上機として運用するために開発した。
1号機は1960年10月21日に初飛行。

機体背面に大型の円盤型レドームを有し、強力なレーダー・電子機器により、対空警戒・監視を行なう。
乗員はパイロット2名のほか、3名のレーダー手が乗り込む。
手ごろな早期警戒機であるため、日本をはじめとした多数の国にも輸出されている。
1965年には空母に搭載されベトナム戦争で実戦に参加している。その後、電子機器の性能向上に伴い、搭載機器を最新のものに替えながら現在に至る。
背面に大型の円盤型レドームを搭載しているのが特徴。
エンジンはターボプロップエンジン2基。主翼は高翼配置で、空母に搭載するため、後方へと折り畳むことができる。
垂直尾翼は艦載機としての大きさの制限から4枚に分割され、全高が抑えられている。
艦載機であるため、着艦フックやカタパルトバーも装備している。
強力なレーダー・電子機器により、同時に250個の目標を追尾し、30の要撃行動を管制することができる。
レーダードームの直径は7.31m、厚さは0.76mあり、その強力なレーダーを用いることにより、2,460万km3の空域と38万km2以上の地表面を同時に監視することができる。
ドームは、1分間に6回転している。

全長:17.56m、全高:5.58m、全幅:24.56m、空虚重量:17,265kg、最大離陸重量:24,721kg
エンジン:アリソン T56-A-427ターボプロップ(5,100馬力)×2基
最大速度:625km/h、巡航速度:505km/h、実用上昇限度:11,280m
航続距離:1,541nm、無給油最大滞空時間:6.25h
乗員:5名

対潜哨戒機 P3C
ロッキード P-3は、アメリカ合衆国の航空機メーカー、ロッキード社(現・ロッキード・マーティン社)が開発したターボプロップ哨戒機。
愛称は「Orion」(オライオン)。
ロッキード社がP2Vの後継機種として開発し、1962年8月より P-3A としてアメリカ海軍へ配備された。
P-3Aの改良型がP-3B、そしてP-3C、1969年より部隊配備された。
潜水艦探知用のソノブイ・システム、センサー、レーダー、データ処理用のコンピューターの能力向上型への換装され、地上設備とリンクされた高度な潜水艦捜索/評定能力を持つことになった。
さらにはマーベリックミサイルの運用も可能となっている。

ベースが旅客機のため、居住性もよく、対潜機材や電子機器を無理なく積む事のできる余裕とSTOL性、長時間滞空性能が高く評価されている。
海上自衛隊は当初対潜哨戒機の国産化を目指したが、裏金が動き、計画が葬られ1972年(昭和47年)10月、田中角栄の内閣により外国機導入が決定された。

1976年(昭和51年)2月4日、「ロッキード事件」が発覚し白紙に戻されたが、1977年(昭和52年)には再度 P-3C の採用が決定、最初の3機が1981年(昭和56年)に引き渡された。
以後はライセンス生産に移り、1997年(平成9年)9月までに通算101機が海上自衛隊へ配備された。
冷戦終結による哨戒作戦の減少に伴い、5機が画像情報収集機OP-3Cに改造され、電子戦機EP-3に5機が、電子戦訓練支援機UP-3Dに3機が改造された。
2014年3月末時点の海上自衛隊のP-3C保有数は73機である。

乗員: 11名、全長: 35.6 m 、全高: 10.3 m 、翼幅: 30.4 m 、空虚重量: 30,300 kg
最大離陸重量: (通常) 63,390 kg、過積載 64,000 kg
動力: アリソンT56-A-14 ターボプロップ、4,600 hp × 4
最大速度: 761.2km/h 、巡航速度: 607.5km/h 、航続距離: 6,751 km
実用上昇限度: 8,600 m、離陸滑走距離:1,420 m

空中給油機KC-767
アメリカ合衆国のボーイング社が開発した空中給油・輸送機。母機はボーイング767
ボーイング社では、これまで空中給油機としてKC-135 ストラトタンカーと、それを母機にしたボーイング707の派生型KC-707を製造してきたが、旧式化。
ボーイング社が両機の後継として、自社のボーイング767を改造した空中給油・輸送機、767T-T(767タンカー・トランスポート)を開発、イタリア空軍と航空自衛隊が最初の顧客となった。
ボーイング767は純アメリカ産ではなく、日本、イタリアの企業がそれぞれ全体の15%を担当している。

母機は767の中でも機体の短い767-200ERの貨物タイプで、機体は小さいが航続距離が長いことが利点。
胴体尾部のフライング・ブーム式給油ブームの根元には大型機用のプローブ・アンド・ドローグ式給油装置1基を備える。
KC-767自身も空中給油を受けることが可能である。

給油操作は5台のテレビカメラの映像をモニター画面で見ながら行う。
輸送機としても使うことができ、キャビンを輸送スペースとして利用する。人員なら200名、車輌も小型トラックなら4台を格納できる。
自衛隊機のエンジンは、ゼネラル・エレクトリック製のCF6-80C2。2003年3月に初号機の購入契約を交わした。
自衛隊の要求仕様は、フライングブーム式の給油装置で、1つの給油ポイントで最大8機に給油可能であること、輸送人員は200名程度、パレット化は貨物6枚、小型トラックは4台が搭載できること、航続距離は貨物搭載量30トンのときに6,500km以上であることであった。
空中給油対象はF-15J/DJ、F-2A/B、E-767早期警戒管制機。

空中給油機によって、滞空時間延長がなされ、作戦機の効率的な運用が可能となり、離着陸回数が削減されることから、基地周辺の騒音低下にもつながると期待されている。
航続距離が貨物32トンで9,260km、4.5トンで14,075kmであり、航空自衛隊の戦術輸送機では最大となるため、輸送機としても活躍が期待されている。
航空自衛隊では拠点基地を小牧基地とし、2009年3月26日に運用する給油・輸送部隊(第404飛行隊)が編成された。2013年3月31日時点で保有数は4機である。

乗員 - 3名(コックピット座席は4)、全長 48.51m、全高 15.90m、全幅 47.57m
最大輸送人員 - 192名〜200名、最大燃料重量 - 91.627t(F-15戦闘機15機が満タンになる)
最大離陸重量 - 186.88t、エンジン - GE CF6-80C2B6F ターボファン2基、最大速度 - マッハ0.86
航続距離 14,075km、実用上昇限度 13,137m

早期警戒管制機 E767
ボーイング767を母機としているので、米軍御用達の機種と思っていたが、さにあらず。
本機は日本の特注品であり運用しているのは航空自衛隊のみ。
特注品だけあり1機当たりのコストは約550億円と高価、2014年現在までに4機が製造されている。
しかし、すごい価格である。浜松基地がホームベース。
高度9000mの高空を飛び 機体の背中に乗せた大出力レーダーで半径460kmに及ぶ範囲の全ての飛行物体を探知し、さらに空中から味方の飛行機の管制・誘導を行う空飛ぶ指令室。
何も戦闘機の数だけが戦力ではなく、それを管制しなきゃ宝の持ち腐れってことである。
つまりはこの機1機が戦闘機、数十機分の潜在戦力を持っているとも言えるだろう。

エンジンは、ゼネラル・エレクトリックのCF6-80C2B6FA高バイパス比ターボファンエンジン2基。
高出力のレーダーと機体内部の機器群の電力をまかなうために、各エンジンの発電機が90kVA・1基から150kVA・2基に換装されている。中味はトップシークレットであり、ほとんど分からない。
乗員: 操縦士2名、機器操作員19名
全長: 48.51m 全高: 15.85m 翼幅: 47.57m 
最大離陸重量: 174,635kg、最大速度: 800km/h以上、巡航速度: 722km/h
航続距離: 10,370km、実用上昇限度: 10,360m-12,222m、連続警戒滞空時間 : 13時間

CH47
ツインローターの大型ヘリである。あの福島第一原発事故で原子炉に海水注入をしたのが、この機種である。
通称「チヌーク (Chinook)」、名前はアメリカインディアンの部族から採っている。
「アパッチ」も同じであり、アメリカはヘリの愛称をインディアンの部族や酋長の名から採用している。

アメリカ合衆国のボーイング・バートル社製の大型輸送用ヘリコプターで、50年前に初飛行。
以後、改良を加えながら1200機ほどが製造されているベストセラー機である。
最大離陸重量:22.68t、12tほどの貨物が搭載できる。
人間は最大55名載せられ、車両2台はOK。巡航速度:265 km/h、最大速度:315 km/h、 巡航性能:612 km。
50年前の設計であるが、まだまだ原役。アメリカ軍のこいつの後継が、あの「オスプレイ」。そのうち、自衛隊にも?


UH60 ブラックホーク
シコルスキー・エアクラフト社製の4翅シングルローター、双発エンジン搭載の中型多目的軍用ヘリコプター。
イリノイ州のアメリカインディアン、ソーク族を率いた勇猛な酋長の名から名付けた。
ベトナム戦争などで使われた戦術輸送ヘリコプターであるベル・エアクラフト社製UH-1 イロコイの代替としてシコルスキーが開発し、コンペを経て1976年、採用が決定し、1979年から陸軍に納入を開始した。
設計にあたってはベトナム戦争の戦訓から耐弾性の強化、操縦系統の多重化などが盛り込まれ、主回転翼は12.7mm機銃弾の被弾なら問題なく、23mm徹甲弾でも被弾から30分は飛行可能となっている。
各部のモジュラー化を進め、部分の交換で整備時間の短縮をはかっている。

現在では電子戦機や特殊作戦機なども開発納入されている他、UH-60L、UH-60Mなどの亜種も開発されている。
また多くの改造タイプや救助用も開発されている。
アメリカ軍の他、多くの国へと輸出されている。実戦経験も豊富であり、グレナダ、パナマ、イラク、ソマリア、バルカン半島、アフガニスタン、中東など多くの紛争地帯で使用された。
乗員: 2名、兵員11名(搭載する武装により変わる)

全長: 19.76 m 、全幅: 2.36 m 、全高: 5.13 m 、ローター直径: 16.36 m 、最大離陸重量: 10,660 kg
動力: ゼネラル・エレクトリック T700-GE-701C ターボシャフト、1,890 hp × 2
性能 最大速度: 295 km/h、巡航速度: 278 km/h 、航続距離: 2,220 km 、実用上昇限度: 5,790 m
武装 M240 7.62mm機関銃×2、またはM134 7.62mmガトリング砲×2、またはGAU-19 12.7mmガトリング砲×2
外部搭載支援システム(ESSS)に搭載可能な武装
ハイドラ70 70mmロケット弾、 AGM-114 ヘルファイア、 ガンポッド (7.62mm or 20mm or M230 30mmチェーンガン)

このUH-60 ブラックホークを日本の航空自衛隊が救難隊用に独自改良した救難ヘリコプターがUH-60J。
航空自衛隊に47機、海上自衛隊に19機が在籍する。
三菱重工業がライセンス生産し、通称、ロクマル。

救難ヘリコプターUH-60Jは、米国の救難専用ヘリコプターHH-60Aの航空自衛隊向け改造機。
赤外線暗視装置、気象レーダーや精密な慣性航法装置を搭載しているほか、航続距離が長いので救難可能区域も広く、ほぼ防空識別圏内をカバー、
遭難者を生存可能時間内に救助できる区域が広がる、などの特徴を持っている。
昭和63年度に3機の調達が開始され、最終的には40機取得の予定。
なお、このうちの5機は空中受油機能が付加され、機体右前方下部にプローブ・アンド・ドローグ式の空中受油装置(プローブ)と、操縦席内に燃料制御パネルが取付けられている。
また、戦闘用の多用途ヘリコプターUH-60JAが陸上自衛隊に34機在籍する。なお価格は約37億円という。
巡航速度: Mach 0.8(890km/h、高度12,200m)、航続距離: 12t/約6,500km、巡航高度: 12,200m
最短離陸滑走距離: 500 m

AH-1 コブラ( Cobra)
ベル・ヘリコプター・テキストロン(ベル・エアクラフト)社が開発した攻撃ヘリコプター、1967年から製造。1982年から導入を開始。
ベトナム戦争の経験で開発され、一部実戦に使われ、以後1100機ほど製造された。日本には90機ほどある。

なかなか、凶暴そうなスタイル。正面がどことなくティラノザウルスの頭部に似てません?
機首に20mm機関砲を装備し胴体左右にTOW対戦車ミサイルと70mmロケット弾発射筒を搭載。現在ではかなりの機がC-NITE(コブラナイト)と呼ばれる夜間行動能力向上型となっている。
全長 16.16m(胴13.59m)全幅 13.4m(ウイングスパン幅3.28m) 全高 4.19m ローター直径 13.41m
最大全備重量 4,536kg 、乗員 2人 、最大速度 231km/h 巡航速度 228km/h 航続距離 456km、実用上昇限度 5,120m
陸上自衛隊機は 富士重工、川崎重工(エンジン)が製造している。
武装 20mm M197 ガトリング砲×1(固定武装)、TOW対戦車ミサイル×最大8発、JM261ハイドラ70ロケット弾ポッド(ロケット弾19発入り)×2

AH-64D アパッチ・ロングボウ(Apache Longbow)
マクドネル・ダグラス社(現ボーイング)が開発した攻撃ヘリコプターである。アパッチ(Apache)の愛称は、アメリカ先住民のアパッチ族に由来する。
AH-64A アパッチにロングボウ火器管制レーダーを搭載し、大幅な能力向上を図ったAH-64の発展型。
アメリカ陸軍の他、陸上自衛隊も採用されている。
ロングボウ火器管制レーダー(FCR)システムにより、従来型より無線周波(RF)ヘルファイア対戦車ミサイルの携行能力、ドップラー航法装置の装備、アビオニクスの小型化、高度に電子化されたコックピットの改善を行った。
エンジンは、GEが開発したT700-GE-701Cターボシャフトエンジンを二基搭載。
一基のエンジンは標準で1,660shp、一基のエンジンがトラブルを起こし片発で飛行する場合は、1,800shpで30分間、1,890shpで10分間持続可能など非常に高性能で、通常飛行時は出力に余裕があるため高い機動性を生かした飛行が可能。

陸上自衛隊が導入したAH-64Dは、GEのエンジンをIHIがライセンス生産。
90機を導入したAH-1Sとの交代が2000年代に始まることを受けて、後継機の選定を開始したが、予算問題やコスト上昇で2001年(平成13年)8月27日にAH-64Dの採用が決定したものの
2008年(平成20年)度予算で調達を打ち切り、調達数を62機から13機に縮小することを決定した。
しかし、これにより富士重工はボーイング側に支払ったライセンス料や設備投資費など約350億円を回収できなくなったため、国を提訴し勝訴。結局、13機で1機あたり52億円という高価なものになった。
メインローター直径:14.63m、全長:17.76m、全高:4.95m(FCR頂部まで)
最大離陸重量:10,107kg
GE製 T700-GE-701C ターボシャフト×2、エンジン推力:1,409kW、最大速度:364.8km/h、水平速度:276km/h
上昇率:541m/min、航続距離:490km(機内燃料のみ)/1,896km(フェリー時)
乗員:2名(前席:射撃手兼副操縦士/後席:操縦士)
固定武装:M230A1 30mm機関砲×1、 通常武装:AGM-114ヘルファイア対戦車ミサイル・AIM-92スティンガー空対空ミサイル・ハイドラ70ロケット弾ポッド

ブルーインパルス
「ブルーインパルス」は航空自衛隊のアクロバットチーム。現在は三代目機種を使用しており、それがT-4。二代目機種T-2の後継機であり、1994年に松島基地の4空団11飛行隊として「T-4ブルーインパルスチーム」が誕生。
以後、1998年長野オリンピック開会式に登場、しかし2000年7月4日、金華山沖での訓練を終えて帰投する途中、5番機と6番機が宮城県牡鹿郡牡鹿町の光山山頂付近に墜落、3名が殉職するという事故が発生し、2001年8月まで展示飛行が中止された。

2011年3月11日の東日本大震災で被災、2013年3月ようやく復活。以後、全国各地で展示飛行を行い現在に至る。


主要諸元
乗員 2人、全幅 約9.9m、全長 約13.0m、全高 約4.6m、自重 約3.7t
エンジン F3-IHI-30 ×2(推力 約1,670kg/1基 、型式 ターボファン・エンジン )
全備重量 5,640kg 、最大速度 マッハ約0.9(約1,040km/h) 、実用上限限度 約15,000m
最大航続距離 700nm(1,300km)

US-1A
名機、二式大艇のDNAを受け継ぎ、新明和工業が開発し、海上自衛隊が使用している飛行艇。
日本が開発・実用化した初の「水陸両用機」であり、本格的なランディング・ギアを装備。
ベースは対潜哨戒機PS-1、哨戒能力が時代遅れであったが、機体は優秀であり、飛行艇化しUS-として製作され、1974年(昭和49)10月6日に初飛行。
6機が製作され、1981年製の7号機(9077)からはエンジンをT-64-IHI-10E(3,060馬力)からT-64-IHI-10J(3,500馬力)に換装しUS-1Aとなった。
機体は直線翼の中型機、T字尾翼を持つ。
主翼端にフロートが装備され、艇体には消波機構を持つ。
エンジンはIHI製ターボプロップエンジン4基。波高3mの海への着水が可能、時速100km程度で離水可能な短距離離着陸(STOL)性能を有し、滑走路を持つ基地でもその性能を発揮する。
主脚は陸上離着陸のため強化・大型化であり、胴体側面バルジに収容。
捜索用レーダとして、テレフンケン社とトムソン-CSF社が共同で開発したXバンド・レーダであるオーシャン・マスターを搭載、波高測定用の航空機搭載用波高計(波高測定専用の連続波FM-CWレーダー)を搭載。
機体キャビンには12名分の担架を収容できるが、機内はコックピットを除いて与圧されていないため、高高度飛行、低気圧下での飛行はできない。

海上自衛隊岩国航空基地所属の第31航空群第71航空隊に7機が配備されているが、後継機のUS-2との交代が進んでいる。
1976年7月の部隊運用開始から2005年7月までに745回以上出動し、730名以上を救助している。

機体は潮風に影響され、荒波への強行着水など、過酷な運用をするため機体の消耗は激しく、15年ほどの寿命。
後継がオスプレイとされていたが、実用化が遅れ、US-1Aの生産を再開。
並行して後継機開発に着手し。それがUS−2である。
都合、US-1Aは20機が製造され、通算20号機(9090)が2005年(平成17年)2月22日に納入され、製造は終了した。
写真はその最終製造機である。
乗員 12名、全長 33.5m、全幅 33.2m、全高 10m
最大離陸重量 43,000kg、燃料容量 19,456L
エンジン - GE/石川島播磨重工業 T64-IHI-10Jターボプロップ×4
出力 - 47kW×4(3,500ESHP×4)最大速度 490km/h、航続距離 4,000km以上、実用上昇限度 - 8,660m

US-1Aは、離着水時の操縦性の改善、患者輸送環境の改善、洋上救難能力の維持向上が課題として挙げられ、その解消を目指しUS-2を開発をに開始。
しかし、恒例の贈収賄事件が発覚し、開発が遅れ、2003年12月18日に初飛行に成功。2007年3月16日より部隊発足。
救難運用に入り、すでに多くの救助実績を上げている。
US-2は外見はUS-1Aとそれほど変わらなく、基本的な部分は踏襲しているが、ランディングギアなどの離着陸装置も備え、水中での車輪の出し入れ、スロープからの基地への出入り能力もある。
また、悪天候での運用性も向上し、救急搬送出動における可能率がUS-1に比較して130 - 140%となった。
電子化により要員も1名削減され、速度、航続距離、上昇限度も向上している。現時点では世界最高の飛行艇と言われる。
(Wikipedia参考)

日本国政府専用機
今や貴重なボーイング747-400、政府専用機として 2機を所有する。
天皇・皇后の外国訪問と内閣総理大臣の外遊に原則として使用する。
航空自衛隊に運用を委託する形で使用を開始し、航空自衛隊機として防衛庁へ転籍、乗組員はパイロット、航空整備員、航法士、機上無線員、日本航空で訓練を受けた特別空中輸送員(客室乗務員)の他、運航をバックアップする運行管理者まで、すべて「航空自衛隊特別航空輸送隊第701飛行隊」、通称「特輸隊」と呼ばれる組織に所属する航空自衛官。
ボーイング747はアメリカ合衆国大統領専用機エアフォース1にも使われるが、エアフォース1は事実上の「大統領のビジネスジェット」で、大統領個人が自由に使うことができ、国内遊説や選挙戦、休暇時の保養地への移動にも使われたり、国賓公賓を同乗させたりもしている。
しかし、日本の政府専用機は国有資産であり、公用に限られ、実質外遊時にのみに使用され、使用頻度が少なく、コストパフォーマンスが悪い。