アメリカ軍ジェット機

F35B ライトニング II
アメリカのロッキード・マーティンが開発中の単発単座の多用途性を備えた第5世代ジェット戦闘機。
ステルス機であり、現在でも開発は継続中。運用は2017年後半以降の予定。

基本の通常離着陸型のF-35A、短距離離陸・垂直着陸 (STOVL) 機のF-35B、空母艦載機 (CV) 型のF-35Cの3種が設定され、アメリカ軍の他、イギリス軍、航空自衛隊なども採用を決定しており、数千機の製造需要が見込めるという。
しかし、開発が難航し、時間がかかっており、大幅なコスト高となり、高価になりそうである。
F-22ラプターのコスト削減、汎用版であり、形状も似ている。

菱形翼のすぐ後方に、主翼と似た平面形の全遊動式水平尾翼を持ち、2枚の垂直尾翼はステルス性向上のために外側に傾けられている。
機体サイズはF-22と比べて若干小型であるが、単発戦闘機としては重量級である。
エンジンはプラット・アンド・ホイットニーF135を搭載、推力はドライ出力でも125kN、アフターバーナー使用時には191kN。
この推力は単発機では大推力であり、双発機における合計推力にも匹敵する。
この高推力エンジンと固定インテイクの取り合わせにより、騒音が大きくなった。

5B型はV/STOL能力のためにリフトファン方式と特殊なエンジンノズルを採用。複雑な構造は整備性を悪化させ,
A型、C型に比べ航続距離も短くなっている。
これは垂直離着陸時や短距離離着陸時にのみ使用される装置が重量物となり、燃費を悪化させていること、その収容スペース分、燃料搭載量が減ることによる。
また、ステルス性能を維持するためには、ミサイルや爆弾は胴体内に搭載する必要があるが、おのずと積載量は制限される。
ステルス性が求められない場には、機外に7ヶ所あるハードポイントにパイロンを装着し、合計で約8トンの重さの武器を搭載可能となっている。
固有武装は、A型のみが GAU-22/A 25mm機関砲を機内に固定装備。B型とC型では機外搭載オプションの1つとしてステルス性を備えた機関砲ポッドが用意される。

F117「ナイトホーク」
アメリカ空軍の夜間攻撃機である。あらゆる航空機の中でもこれほど変わった形状のものはない。
管理人、この機を見ると「ガッチャマン」を連想してしまうのだが、どこか似ていませんか?

その形だけでも人々に強い印象を与えた航空機である。
ご存知、世界初の実用ステルス機である。すでに退役しているが、今でもステルスといえばこの機を連想する者が少なくない。
それほどの個性である。

レーダーや赤外線ホーミング等に捉えにくいということを謳ったのでステルスといったが、当然和訳すれば「忍者」である。
1981年に初飛行を行った。F22やF35もステルス機であるが、当時はコンピュータで曲面を多様化したステルス形状をデザインする技術が未熟であったため平面を組み合わせたこのような独特の多面体の機体形状になったという。

このため、空気力学的に不安定な形状であり、上手くコントロールしないと失速してしまう。
これを解決するため、コンピュータによる制御システムを採用して安定性を確保した。
1982年に部隊配備が始まったが、視認性もステルスを要求されることから、夜間作戦用とされ、機体表面の塗装も真っ黒に塗られた。

愛称も「ナイトホーク」(ヨタカ)である。
攻撃機といっても爆弾搭載量は少なく、重要施設へのピンポイント奇襲攻撃用である。
固定武装はなく、空戦はできないし、速度も亜音速である。
1983年に実戦配備が開始され、1990年までに59機の配備が完了した。機数はこれだけである。

しかし、1機当たりの価格は約4500万ドルにもなり、運用・維持コストも高く、2008年4月22日をもって全機が退役した。
F-117が有名となったのは1991年の湾岸戦争である。
夜間に爆弾が命中するシーンの映像などが放映され、ハイテク戦争というイメージがあるが、誘導爆弾を投下したのが、主にF-117である。
F117以外の機はコストの関係上、誘導爆弾はほとんど使っておらず、主に通常の無誘導爆弾を使ったという。
F117は湾岸戦争には44機が参加し、1機も被害を出さなかった。
しかし、コソボ紛争では、1960年代初期に登場した中低高度用対空ミサイルS-125Nevaで撃墜されている。
レーダーを改造して長波長、低周波数の電波を利用してF117の探知を可能にしていたとされる。
墜落した機体の残骸の破片は裏取引によってロシアや中国に送られ、PAK FAや殲20といったステルス戦闘機の開発に使われたという。

F-22ラプター
この模型はSCALE MODELER
 2008年2月号の付録についていたものだそうである。
目が見えなくなってきた知人よりそれをもらったので作ってみた。
しかし、スケールは1/144、部品が小さすぎる。
俺でもよく見えないし、ピンセットでも部品が摘まめない。
やっぱり、飛行機模型は大型機でない限り1/72か1/100が限界である。

F22はロッキード・マーティン社とボーイング社が共同開発したアメリカのステルス戦闘機。
ラプター(Raptor)とは猛禽類の意味。
アメリカ空軍のF-15の後継機として開発した第5世代ジェット戦闘機に分類される。
F-15E戦闘爆撃機と同じ多用途戦術戦闘機に分類されるが、対地攻撃兵器の搭載能力は少なく、ステルス特性を生かしてた奇襲攻撃用または制空権確保の機と言える。

開発は冷戦下で開始され、アメリカ空軍は750機の配備を予定していた。
しかし、開発の遅れや冷戦の終結に伴って、スローダウン、実戦部隊が運用を開始したのは2005年12月だった。
しかもコスト上昇で最終的な装備機数は187機と大幅に圧縮された。一機当たりのコストは約1億5000万ドルともいう。
実戦経験はないが、そのステルス性の高さなどから世界最強クラスの戦闘能力を持つとされる。

しかし、模擬空中戦では接近戦となると撃墜されることもあるというので、どこまで本当か?
一方でその高度な軍事技術の転移への懸念や運用コストの高さなどから、アメリカ空軍のみの配備に留まり、コストの高騰・予算削減を背景に2009年度の調達分により生産終了となっている。
日本の自衛隊もF15の後継機種として導入を検討したが、軍事技術の壁に阻まれ断念し、F35に乗り換える方針に変えている。
結局、平常時にはこのような兵器もコストパフォーマンスが優先なのだ。

主要スペック
全長 18.90m 、全幅 13.56m 、全高 5.08m 、全備重量 29.3t
最大速度 マッハ2.25 、最大巡航速度 マッハ1.82 、航続距離 3219km
主武装 固定兵装:20mmバルカン砲
空対空兵装 AIM-9 サイドワインダー、AIM-120 AMRAAM
空対地兵装 GBU-32 JDAM 1000lb GPS/INS誘導爆弾、GBU-39/40 SDB 250lb GPS/INS誘導爆弾

F-16
アメリカのジェネラル・ダイナミクス社が開発した軽量小型ジェット戦闘機。愛称はファイティング・ファルコン(Fighting Falcon)。
初飛行は1974年2月2日。当時の革新的技術を取り入れている。
その後も段階的な改良が続けられたことにより、登場から30年以上経った現在においても第1線にある。

アメリカ空軍では高価なF-15と安価な本機での「ハイ・ロー・ミックス」構想の下に運用され、保有作戦機の過半数(2012年の時点で、1,020機)を占めている。
製造機数は4,500機以上、世界20ヵ国以上の空軍が採用している。
この数字はアメリカ製のジェット戦闘機としては約9,000機のF-86、約5,700機のP-80、約5,000機のF-4に次ぐ第4位の生産数である。
また、本機をベースとした戦闘機や練習機も多く開発されている。
開発はF-4の旧式化とインフレーションによるF-15の単価上昇により加速した。
安価な同盟国向け戦闘機を想定していたのも言うまでもない。

F-16は当初から、胴体と翼を一体で整形する技術(ブレンデッドウィングボディ,Blended Wing Body:BWB)や機体の操縦をコンピュータで補正・制御する技術(フライ・バイ・ワイヤ,FBW:Fly By Wire)といった革新的技術を取り入れた設計となっていた。
ブレンデッドウィングボディを持つ運動能力向上機(Control Configured Vehicle:CCV)とすることにより、大きな主翼面積として翼面荷重を低く抑えるという手法を取らずに高い運動性を実現し、より小さな主翼面積は抗力や突風の影響を抑え、低空域での機動性や安定性、加速力を向上させた。

機体の構造材料としてはアルミニウム合金が高い割合を占め、チタニウム合金の使用率を抑え、価格低減を重視した。一方で複合材料の使用率は高め、グラファイト系の複合材料を採用している。
エンジン プラット・アンド・ホイットニー社製のF100またはゼネラル・エレクトリック社製のF110 を搭載、軽量な機体に高出力のエンジンで最高速度はマッハ2。
格闘戦を重視しマッハ2以上の最高速度は要求されていない。
武装はM61A1 20mmバルカン砲を持ち、主翼先端部や主翼下にAIM-120 AMRAAMやAIM-9を搭載可能。
これに加え、無誘導爆弾やクラスター爆弾、レーザー誘導爆弾、ロケット弾などを搭載できる。

この他にも採用国独自の改修を施された場合もある。
F-16の実戦参加実績は豊富である。多くは中東である。
有名なのは、1981年6月7日にイスラエル空軍によるイラクの首都近郊の原子力発電所への航空攻撃作戦のバビロン作戦。
他、1982年6月6日にレバノン内戦でのシリア空軍とのベッカー高原の航空戦。
ソビエト軍のアフガニスタン侵攻でのパキスタン空軍のF-16とソビエト連邦空軍やアフガニスタン空軍との空戦を戦う。

1990年8月2日からの湾岸戦争ではアメリカ空軍の主力として参戦した。
対空兵器対策として高高度から目視照準で無誘導爆弾を投下する戦術に限られたうえに異常気象による視界悪化から芳しい戦果を得ることはなかった。
8機がイラク側の対空兵器で撃ち落とされた。
キプロス紛争で、1996年10月10日にギリシャのミラージュ2000にトルコ空軍のF-16Dが撃墜されている。
ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争において1994年にセルビア空軍機との交戦と防空施設への攻撃に投入。
コソボ紛争末期、1999年3月24日にオランダ空軍のF-16AM、5月4日にアメリカ空軍のF-16CJがそれぞれMiG-29を1機ずつを撃墜。

2001年のアフガニスタン侵攻や2003年のイラク戦争では攻撃の多くはレーザー誘導爆弾やJDAMと言った精密誘導兵器やHARMによる対地攻撃だった。

全幅:9.45m,全長:15.03m,全高:5.09m
自重:8.27t,最大離陸重量:19.19t
発動機:プラット・アンド・ホイットニー F100-PW-220(A/B使用時 10,809kg)1基
最大速度:マッハ2.02
最大搭載量:7,070kg
航続距離:4,200km
乗員:1名

F-14 トムキャット
アメリカ海軍の空母搭載用の艦上戦闘機。F4ファントムの後継機としてグラマン社が開発。愛称はトムキャット(Tomcat)。
特徴は何といっても可変翼である。
アメリカのみならず、世界中の軍用機でもっともスタイリッシュなシルエットを持ち、能力も抜群であるが、時代の流れに対応できず、ジリ貧で不幸な生涯を送った戦闘機である。
抜群の能力を持ちながら、十分な活躍な場を与えられなかった第二次大戦中の多くの日本軍の軍用機、ドイツのMe262、He219、アメリカのF8Fなどと共通するものがある。
初飛行は1970年、部隊配備は1973年。
しかし、運用コストが高く、飛行能力は劣が、低コストのFA18 ホーネットに機種転換が行われ、2006年9月に全機が退役した。

開発は1950年代に遡り、対艦ミサイルを搭載した航空機からの空母への攻撃に対抗する防御戦闘機としてのニーズであった。
その後、ミサイルの開発が進展し、AAM-N-10イーグル空対空ミサイルやミサイリアーが出現したが、これらにミサイルを搭載し、制御できる能力を持つ航空機がなかったことが、開発の契機となった。グラマン社が開発を担当し、1970年12月に初飛行したが、あえなく2度目は墜落。

その後、改修が行われたが、結果は芳しくなく、苦難の末、1973年にようやく実戦部隊への配備が行われるまでになった。
しかし、単価が高く、メンテナンス費が高かったため、当初配備予定だった722機は313機まで大幅に圧縮された。
更なる圧縮が計画されたが、これは何とか免れた。
艦隊防空戦闘機であり、防空に特化し、一番の武器はアクティブレーダーホーミング長距離空対空ミサイルで射程100kmを持つ AIM-54 フェニックス6基。
これは左右のエンジン間の隙間に搭載している。
ただし、発射したのは湾岸戦争で1回きり、しかも戦果は挙げていない。

このフェニックスは2004年9月にアメリカ海軍から引退。さらに大重量となるF14を着艦させられる空母も限られていたため、アメリカ政府は、F/A-18E/Fへの転換に踏み切る。
主翼はスポイラーが装備され、水平尾翼の差動によってロール機動を行う。

主翼の可変は、飛行中に速度応じて、自動的に最適な後退角に主翼角度を変えられるようになっている。
後退角は飛行中は20〜68度の範囲で可動し、主脚に荷重がかかった場合(静止・格納状態)に限り75度まで後退させることが可能。
ただし、可変翼機は速度に応じて最適の揚抗比を得ることができる利点があるものの、メカが複雑でこれが、コストアップを招く要因となってしまった。
エンジンはプラット&ホイットニー社製TF30-P-412を2基搭載。

このエンジンには欠陥があるため、GE製F401-PW-400に換装予定であったが、このエンジンも欠陥があり、TF30の改良型を継続採用。
F-14は、空対空戦闘機であり、攻撃能力はそれほどなかった。
これが不幸の元であり、現実にはアメリカの空母戦闘群を攻撃できるソ連の崩壊で、そのような相手がなくなってしまった。
また、ミサイルは中距離空対空ミサイルが主流であったがこれの積載に対応できなかった。
実戦は1981年、リビヤ沖でSu22 2機、1989年Mig23 2機を撃墜している。
湾岸戦争では逆にイラク軍の地対空ミサイルで撃墜されている。2001年のアフガン戦争では長航続距離を活かし、爆撃機としても使用された。

F-15 イーグル
航空自衛隊の主力戦闘機としておなじみの軍用機である。
マクドネル・ダグラス社(現在はボーイング社に吸収されている。)が開発したアメリカ空軍の主力戦闘機で、「世界最強の戦闘機」と言われ、撃墜されたという公式記録は無いともいう。
(どうもこれは嘘らしい。)
初飛行は1972年といい、1,200機以上製造される。
もう30年以上現役であり、その後も新型機は登場している。
しかし、性能的にも後続の新型機に劣らず、運用実績も豊富であり、高価ではあるが、新型機よりも安価なため、コストパフォーマンスに優れており、今後も各国で長く使われると想定されている。
開発のきっかけは、旧ソ連のMIG25である。
当時、MIG25はマッハ3の高速で、高い運動性能が高いと考えられていた。
運動性能を過度に高く評価したのは、ベトナム戦争でMIG21などに格闘戦に持ち込まれた場合、苦戦したことによる。
当時、アメリカ軍機には格闘戦に優れた戦闘機はなく、F4ファントムの後継戦闘機に格闘戦能力が要求された。
このF15の主翼は高翼配置であり、補助翼がついた簡単な構造で、前縁フラップもない。
双垂直尾翼であり、水平尾翼は全浮動する形式である。
F14に比べれば、シンプルな翼形式であり、これは翼形状だけでなく、機体全体が実績のある形式を採用している。
結局、この簡単さが、その後の生産面・シェア面での勝負を決めることになる。
第二次世界大戦におけるグラマンF6Fとコルセアの関係とも良く似る。

自衛隊退職者援護協会のカレンダーより
百里基地のF15

視界を確保するため、大型の涙滴型キャノピーを機体の最上面に張り出して設置したため、強度上の問題で最高速度はマッハ2.3である。
しかし、瞬間最大速度ならマッハ2.5まで出す能力を持つエンジンを搭載している。
全体的に見れば、新規性の少ない機体である。
この比較的、シンプルで技術的には古臭い機体を最新鋭の電子技術でカバーしている。
しかし、この機種は大ヒットしたものの、革新的設計へのチャレンジをしなかったことで、技術に遅れをとり、F-15の後継機開発計画では、落選してしまい、結果としてマクドネル・ダグラス社はボーイングに吸収合併されてしまう。
古く、新技術を採用せずに堅実に設計された機体ではあるが、スペース的に余裕を持った設計であったことから、各種の新兵器の搭載も可能であり、これが長寿命の要因となっている。
その派生形の代表が戦闘爆撃機タイプの「ストライクイーグル」である。日本の航空自衛隊が採用しているのは、単座 F-15C の日本型 F-15J(165機調達)と複座 F-15D の日本型 F-15DJ(48機調達)、合計213機である。(事故で10機程度を喪失)
ほとんどは国産化しており、F-15を国産化した国は日本のみである。
電子機器も国産品であり、制御は日立製作所製のJ/ASW-10が装備されている。

A-10 フェアチャイルド サンダーボルトU
アメリカの近接航空支援(CAS)専門の攻撃機。
別名ウォートホッグ(イボイノシシ)。別名のとおり、近代的な後退翼ではなく、低速時の機動性を高めるため主翼は直線翼となっており古臭い奇抜な格好をしている。
これが現代では逆にすごく個性的である。
初飛行は1972年。対空砲火を受けやすい地上陣地や戦車を攻撃する専門の機体であるため、徹底した重装甲であり、重武装である。

コクピット周りには23mm砲弾にも耐えるチタン装甲(通称バスタブ)を持ち、燃料系・油圧系統など機体の17%に装甲を施しているなどの高い防御性を持つ。30mmガトリング砲は問題になっている劣化ウラン弾を使う。
爆弾は7t積載できるなど、高い対地攻撃性能を持つ。
ちなみに、30mmガトリング砲の発射の反動で「速度が低下する」「機体のボルトが緩む」などの欠陥があるともいわれているが、軍事機密のため、真偽は不明。
地上攻撃専門のため、高速は不要であり、ジェット機としては最高速度で時速700km程度と低速となっている。
コストパフォーマンスも重視されていて、発注価格はF-15Aの1/3程度となっている。
1976年より部隊配備が開始されたが、低速と全天候性能の不足により、不評であった。
しかし、1991年の湾岸戦争ではイラク軍の滞空戦闘能力が低かったことや天候がよい砂漠地帯であったことから、イラク軍車両数千両を撃破し高い評価を受ける。
しかし、速度性能などの不満は残り、退役が始まっている。